OPERA
 



 
イル・カンピエッロ(Il Campiello)
 
王女様の誕生日(Der Zwerg)
 
奥様女中(La Serva Padrona)
 
仮面舞踏会(Un ballo in maschera)
 カルメンCarmen)
  蝶々夫人(Madama Butterfly)
 トロヴァトーレIl trovatore)
  ニーベルングの指環(Der Ring des Nibelungen)
   
ラインの黄金(Das Rheingold) 
 マクベス(Macbeth) 
 
魔弾の射手(Der Freischutz)
 
夜鶯(Le Rossignol)



イル・カンピエッロ(Il Campiello)

原作 カルロ・ゴルドーニの喜劇『イル・カンピエッロ」(1756)
台本 ギザルベルティ
作曲 エルマンノ・ヴォルフ=フェッラーリ
初演 1936年2月12日、スカラ座
演奏時間 1時間50分(第1幕42分、第2幕36分、第3幕32分)
設定 1700年代中頃、ヴェネツィア
 主要登場人物  ガスパリーナ(S) ファブリーツィオの姪、20歳
ドーナ・カーテ・パンチャーナ(T) 45歳
ルシェータ(S) カーテの娘、22歳
ドーナ・パスクワ・ポレガーナ(T) 40歳
ニェーゼ(S) パスクワの娘、18歳
オルソラ(MS) 45歳
ゾルゼート(T) オルソラの息子、20歳
アンゾレート(B) 小間物屋、24歳
騎士アストルフィ(Br) ナポリの貴族、40歳
ファブリーツィオ・デイ・リトーリ(B) 55歳
第1幕 カンピエッロ(小さな広場) 早朝
 ガスパリーナがテラスでお化粧をしながらいつになったら結婚できるのかしらと嘆いていると、そこにナポリの騎士アストルフィ
が通りかかり彼女に秋波を送る。彼女が引っこんでしまうと彼はルシェータとニェーゼにも気色を示し、そこにやってきた小間物屋
のアンゾレートから何でもお買いなさい、私が払いますからと気前の良いところを見せる。アンゾレートは恋人のルシェータが他の
男に取り入られているのを見て気を悪くし、ニェーゼの家に先に行く。後回しにされたルシェータも腹を立て、やっと彼女の所に戻
ってきたアンゾレートと大喧嘩を始め、彼はもう二度と来るものかと走り去る。騎士はすかさずルシェータに指環を贈ろうとするが
彼女には断わられ、代りに彼女の母親カーテに取られてしまう。パスクワが現われほうきで自分の家の前を掃き始めると、オルソラ
が出てきて、息子のゾルゼートとパスクワの娘ニェーゼの結婚話を持ち出すので、パスクワはいそいそとオルソラの家に入っていく。
若いニェーゼは一人、ゾルゼートに胸をときめかし、結婚を夢みている。しかし実際に彼の前に出ると恥ずかしさから冷たい態度を
とってしまう。ニェーゼがルシェータに花を贈ると、アンゾレートはゾルゼートが彼女に贈ったものと誤解し再び喧嘩を始める。そ
こに出てきた騎士は争いはやめて人生を楽しく過ごそうと諭し、ニェーゼもあの花は自分があげたのだと言うので、アンゾレートも
誤解を解きルシェータに今夜結婚しようと言う。皆が家に引っ込むと騎士はガスパリーナに声をかけ、それとなく家の事情などを尋
ね、口説き始める。気の合った二人は再会の約束をして別れる。
第2幕 第1幕と同じ小広場
 
皆は広場の中央でコイン捜しのゲームをしている。あまりの騒々しさにファブリーツィオが出てきて静かにしろと怒鳴り、怒りち
らして家に入る。アンゾレートがルシェータに指環を贈ると、騎士は結婚の前祝いに皆を食事に招く。皆は大喜びで御馳走を注文す
る。騎士はそこに現われたガスパリーナも食事に招くが、彼女は伯父の許しがなければと断わる。どうやら気取り屋の彼女は庶民と
は一緒に食事などしたくない様子。そこにファブリーツィオが出てきてむりやり彼女を家に入れてしまうので一同は呆れ返る。騎士
は皆に楽しく食事をと言い宿屋に入れる。御馳走を運ぶ給仕たちのバレエ。騎士は皆の騒ぎにいたたまれず出てきて、ガスパリーナ
の家を訪ね彼女と話をしていると、ファブリーツィオも出てくる。彼女が引っ込むと伯父は騎士に、自分もナポリの騎士だが事情が
あってヴェネツィアに暮らしている事、最近宝くじを当てた事など話すので、騎士は彼女との結婚に乗り気になる。そのうち皆が酔
っぱらって宿屋に戻っていく。ファブリーツィオはこの広場の騒々しさに我慢できず、今日中に引っ越すとガスパリーナに言い、お
前も貴族の出なのだから上品にと言う。彼女は初めて自分も貴族と聞いて喜ぶ。多額の勘定書を持って途方に暮れて出てきた騎士は
さっそくガスパリーナを口説き、彼女も色よい返事をして家に戻ると、また皆が宿屋から出てきて大騒ぎとなる。
第3幕 第1幕、第2幕と同じ小広場
 引越しの最中のファブリーツィオの所に騎士がやってきて、ガスパリーナと結婚したいがと話を持ち出すので、彼は騎士を家に招
き入れる。オルソラは話相手のカーテとパスクワが酔いつぶれて高いびきで寝ているので、ルシェータを自分の家に呼ぶ。そこに来
たアンゾレートはニェーゼからルシェータがオルソラの家にいると聞き、同家の息子のゾルゼートの所に行ったものと思い嫉妬して、
出てきたルシェータをいきなりひっぱたく。カーテはこんな野蛮な男に娘はやれないと怒るが、ぶたれた当人はそれでも彼が好きと
指環を返そうとはしない。ニェーゼはルシェータの濡衣を晴らしてやろうとオルソラの所に行くが、彼女はアンゾレートがゾルゼー
トの事を他人の女を狙う泥棒猫と言っていたと口をすべらせてしまうので、彼は怒ってカーテの家に石を投げつけ、棒を持って飛び
出す。喧嘩が次から次へと広がるので、騎士がファブリーツィオの家から出てきて恥を知れと皆を一喝する。そして自分は明日出発
してしまうので今夜は仲良く楽しくやろうと提案する。皆はそれぞれ仲直りのキッスをし、アンゾレートとゾルゼートもしぶしぶ抱
き合う。皆が仲直りしたところで騎士は、実は自分は今夜結婚する、その相手はガスパリーナ、と発表する。夫に付いて遠くに行く
事になったガスパリーナはいとしのヴェネツィアと広場に別れを告げ、いつまでも忘れる事はないでしょうと歌う。(いとしのヴェ
ネツィアさようなら)


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王女様の誕生日(Der Zwerg)

原作 オスカー・ワイルド
台本 ゲオルク・C・クラーレン
作曲 アレクサンダー・ツェムリンスキー
初演 1922年5月28日、ケルン市歌劇場
 主要登場人物  ドンナ・クラーラ(S) スペイン王女。ワイルドの原作では12歳の誕生日を迎えた無邪気な少女だが、
  オペラの台本では18歳に変更された。
小人(T) 醜い容姿をした侏儒。自分では自らの姿を知らない。原作ではたまたま森で発見された自
  然児とかかれているが、オペラではより教養も備えたより屈折した性格に描かれる。
ギータ(S) 王女がもっとも信頼する侍女。
ドン・エストバン(Bs) 侍従長。
侍女1・2・3(S・S・Ms)、女友達(S・A)
舞台はスペインの王宮。背後には広大な庭園が広がる。
 侍従長ドン・エストバンの指示で侍女たちが王女ドンナ・クララの誕生パーティーの準備を整えている。やがて
美しく着飾った王女を囲んでパーティーが始まる。そこで東洋のスルタンからプレゼントされたのは何と醜い小人
だった。彼は自分の醜さを知らない。宮廷では真の姿を見せないよう全ての鏡は覆われた。小人は自分を騎士と思
いこんでいるが、宮廷の人たちにとっては単なる道化者。困ったことに彼は王女に一目惚れしてしまった。醜さを
知らないとは思いもよらない王女は、他の道化たちと同様にふざけているだけと解した。小人が1枚の鏡にかけら
れた覆いを引き剥がしたとき、この罪深い余興は終わる。小人の求愛の言葉に王女は「わたしが好きになるのは人
間だけ、動物はダメよ」と無邪気に応じた。醜いのは外見だけで内面は美しい、王女がそう考えてくれないことに
絶望した小人はそこで苦しみのあまり死んでしまう。「せっかくもらったプレゼントの玩具がもう壊れてしまった
わ」という言葉を残し、王女が舞踏会場へ向かうところで幕になる。

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奥様女中(La Serva Padrona)

台本 ジェンナーロ・フェデリーコ(イタリア語)
作曲 ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ,1733年
初演 1733年8月28日、ナポリ、サン・バルトロメオ劇場
  日本初演は1958年6月、九段会館における二期会研究生公演
演奏時間 50分(第1部22分、第2部28分)
設定 18世紀の初め頃、南イタリア風のウベルトの家
主要登場人物 金持の老人ウベルト(Bs)、女中セルピーナ(S)、ウベルトの下男ヴェスポーネ(黙役)
第1部 独身の頑固な金持ち老人ウベルトの居間
 下男のヴェスポーネがのろのろと掃除をしている。ウベルトは、起きぬけに飲む好物のチョコレートを
女中のセルピーナがまだ持って来ないので、いらいらしている。「3時間も待っているのにまだ持って来
ない。可愛がって育てた子も、今では奥様のように横柄だ」と当り散らす。ウベルトが闇雲にベルを鳴ら
すと、ようやくセルピーナが登場。老人は怒鳴りつけるが、「もうお昼も近いから、チョコレートは飲ん
だことにしましょう」と彼女はまったく意に介さない。怒り心頭のウベルトは「こちらと言えばあちら、
上と言えば下、イエスと言えばノー。もうこんなことは沢山だ!」と怒り、出かけようとする。すると彼
女が押しとどめ「私の怒りんぼさん、黙って私に従って。セルピーナはそうしてもらいたいの」と歌う。
ウベルトはおさまらない。「出て行け、無礼な女よ!」と言い放った後、ヴェスポーネに向かって、どん
な女でもよいから結婚相手を連れて来いと言いつける。するとセルピーナは「それならば私と結婚しまし
ょう」と持ちかける。あなたの目は私を好きだと言っているとセルピーナ。誘惑しようとしても無駄だと
ウベルト。愉快な二重唱が展開する。
第2部 同じ部屋、同じ日の午後
 妻の座を手にしたいセルピーナは、「言うとおりにしてくれたら、お望みのものをあげるわ」と言って、
ヴェスポーネを味方に引き入れる。彼の役どころはセルピーナの婚約者かみなり大尉。そして彼女は「私
も夫となる人を見つけました」とウベルトに挨拶する。ただその婚約者は気性が荒くて、怒ると何をする
かわからないとウベルトを脅かす。そして「愛しい奥様とお幸せに。セルピーナのことも忘れないで」と
別れの言葉を述べると、ウベルトは「あの子を手放すのは惜しいが、まさか結婚するわけにもゆくまいに」
と思い悩み始める。セルピーナは首尾上々の成行きにそっと舌を出す。彼女が婚約者の大尉を連れてきて
通訳するところによると、ウベルトに莫大な持参金を要求し、もし出来ぬのなら自らセルピーナを娶れと
言っているという。今にも刀を抜きそうな大尉の態度を見たウベルトは、ついに彼女と結婚することを誓
う。するとセルピーナは「今から私が奥様」と言ってヴェスポーネの扮装を解く。ウベルトはセルピーナ
の策略に気づくが、時すでに遅し。2人の軽妙な愛の二重唱で幕が下りる。

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仮面舞踏会(Un ballo in maschera)

原作   ウジェヌ・スクリーブ台本・オーベール作曲のオペラ「グスタヴ3世、または仮面舞踏会」
台本  アントーニオ・ソンマ(イタリア語)
作曲  1857〜58年
初演  1859年2月17日ローマ・アポッロ劇場
   日本初演は1923年
演奏時間  2時間10分(第1幕50分、第2幕30分、第3幕50分)
設定  17世紀、イギリスの植民地ボストンおよびその郊外
   オリジナル版:18世紀末のスウェーデン
 主要登場人物   リッカルド(T) 苦悩する独身のボストン総督
 レナート(Br) リッカルドの秘書
 アメーリア(S) レナートの妻
 ウルリカ(A) 占い女
 オスカル(S) リッカルドの小姓
 サムエル(Bs)、トム(Bs) リッカルドの政敵
 水夫シルヴァーノ(Bs)、判事(T)、アメーリアの召使(T)
第1幕 第1場 ボストンの総督官邸広間、第2場 女占い師の洞窟
 
人々に敬愛される総督リッカルドは、反対派の貴族サムエルやトムらから命を狙われている。リッカルドの
親友で秘書のレナートは彼に危険を知らせるが、実は総督はひそかにレナートの妻アメーリアを愛している。
仮面舞踏会の招待者リストの中に彼女の名前を発見、アリア「もう一度彼女に逢える」。裁判長が登場、邪悪
な予言で人々を惑わす女占い師ウルリカの追放を求める。小姓オスカルはバラッタ「彼女が星を見上げる時」
を歌って占い師をかばうので、総督は漁師に変装して自ら調査に赴くことにする。炎の前のウルリカを物陰か
ら窺うリッカルド。そこへ現れたのはアメーリアだった。秘密の恋の苦しみを告げると、ウルリカは真夜中に
墓場の中の処刑場へ行って薬草を摘め、と教える。アメーリアが去ると、総督の側近が到着。ウルリカは総督
と知らずに占って、「今日、最初に握手する人物に殺される」と予言。遅れて入って来たレナートは事情を知
らずに総督の手を握る。
第2幕 第1場−第2場 真夜中の墓場の処刑場
 
薬草を摘みに来たアメーリアのモノローグ「この草を摘み取ると」。ためらう彼女の前に突然リッカルドが
現れ、愛を訴える。拒否しきれないアメーリア。2人の愛の二重唱「あなたは知らないでしょう。」そこへ、
レナートが暗殺者達の尾行を知らせに来る。顔を隠したアメーリアをレナートに託し、リッカルドが急ぎ逃げ
去ったところへ、叛徒を従えたサムエルとトムが駆けつける。残された2人を追求するので、やむなくアメー
リアは夫の前でヴェールを脱ぐ。一同の驚きの中で、レナートはリッカルドへの嫉妬と怒りに燃え、サムエル
とトムに翌朝自邸へ来訪を請う。
第3幕 第1場 レナート邸の書斎、第2場−第3場 リッカルドの官邸
 墓場からアメーリアを連れ帰ったレナートは、死をもって罪を償うよう妻に迫る。覚悟を決めたアメーリア
はアリア「最後の願い」で、息子に会わせてと訴え、去る。レナートは総督こそ裏切りを償わねばならぬと、
「おまえこそ心を汚すもの」を歌う。サムエルとトムが来訪。レナートは2人に総督暗殺を誓う。一方、官邸
のリッカルドは、レナート夫妻を遠方へ赴任させる決心を固める。(「永久にあなたを失えば」。)一転、仮
面舞踏会場。オスカルから総督の変装を聞き出したレナート(「あなたは知りたいでしょう」)。夫の陰謀に
気づいたアメーリアの忠告にもかかわらず、リッカルドはついに親友の剣に倒れる。

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カルメンCarmen

原作 プロスペル・メリメの小説『カルメン』(1845)
台本 アンリ・メイヤック、リュドヴィク・アレヴィ(フランス語)
作曲 ジョルジュ・ビゼー,1873〜74
初演 1875年3月3日、パリ・オペラ=コミック劇場
  レチタティーヴォつきの初演は1875年7月23日、ウィーン宮廷歌劇場
  日本初演は1919年、東京帝国劇場ロシア歌劇団
演奏時間 2時間30分(第1幕45分、第2幕40分、第3幕35分、第4幕30分)
設定 1820年頃、スペインのセビリャ
主要登場人物 カルメン(Ms) 奔放なジプシーの美女。ひたすら自由に生きている
ドン・ホセ(T) 竜騎兵隊の伍長。真面目だったが、カルメンに会って人生を誤り、密輸入にまで
  身を落す
エスカミーリョ(Br) 人気ナンバーワンの闘牛士
ミカエラ(S) ホセの許嫁の田舎娘
スニガ(Br) 衛兵隊長
ダンカイロ(Br)、レメンダード(T) 密輸業者
フラスキータ(S)、メルセデス(S) ジプシー女
伍長モラレス(Br)
第1幕〈1820年頃、スペイン。セヴィリャの煙草工場前の広場〉
 田舎に母と許嫁を残してセビリャにやって来たドン・ホセは、竜騎兵の伍長を務めている。許嫁ミカエラがある日、ホセに会いに来たが、交替の時になれば会えると言われ、いったんその場を去る。遠くでラッパが鳴り、衛兵の交替だ。煙草工場でも昼休みの鐘が鳴り、女工たちが出て来る。カルメンは言い寄ってくる男達には目もくれず、自分に無関心なホセに情熱的な眼差しを送る。ホセはミカエラと再会し、母の便りを聞き、しばし故郷を思う。しばらくして工場で騒ぎが持ち上がる。騒ぎの張本人カルメンは捕縛されるが、ホセに色仕掛で迫り、誘惑に負けた彼は縄をゆるめてやり、カルメンはまんまと逃げる。
第2幕〈セヴィリャの町外れにある居酒屋「リリャス・パスティア」〉 
 居酒屋でカルメンが、密輸業者仲間と話していると、人気闘牛士エスカミーリョが現れ、カルメンに気のある素振りを見せながら颯爽と去る。そこへ、カルメンの逃走を助けたため牢屋に入っていたホセが、釈放されてやって来る。ホセはカルメンに思いの深さを訴えるが、彼女は、それなら兵隊をやめて一緒に放浪生活をしようと、ホセの気持ちを試す。逡巡するホセ。帰営を促しに現れた上官スニガと口論となったところを、密輸業者たちに助けられ、ついにホセは仲間に加わることを承知してしまう。
第3幕〈淋しい山中にある密輸業者達の根城〉 
 山の中の休憩地で、カード占いをするカルメン。そこにミカエラがホセを探して現れるが、見張り役をしていたホセが、誤って発砲するので身を隠す。エスカミーリョが通りがかり、ホセは彼が恋敵だと知り、決闘となる。ジプシーが二人の間に仲裁に入り、エスカミーリョが去ると、先程のミカエラが連れてこられ、ホセの母が危篤だと伝える。ホセはカルメンに未練を残しながらも、いったん下山することを決意する。
第4幕〈セヴィリャの闘牛場前の広場〉
 大歓声の中、エスカミーリョがカルメンを伴って闘牛場に姿を見せる。フラスキータとメルセデスはホセが来ていると注意するが、カルメンは意に介さない。カルメンが一人になると、物陰からホセが現れる。もう一度 やり直そうと言う彼の懇願を退けるカルメン。その上、今ではエスカミーリョを愛しているとさえ言ってのけ、ホセにもらった指輪を投げつける。ホセは短刀でカルメンを刺し、崩れ落ちる彼女に身をあずけるようにして号泣する。

 

前奏曲 Prelude  
情景(シェーナ)と合唱 Sur la place...  
町の子供たちの合唱 Avec la garde montante... ドン・ホセの登場
煙草女工たちの合唱 La cloche a sonne... 若者たちの合唱
ハバネラ L'amour est un oiseau rebelle... カルメンの登場
情景(シェーナ) Carmen, sur tes pas... 若者たちがカルメンを取り囲む
二重唱 Parle moi de... ma mere! ホセのところへミカエラが登場
合唱 Eh bien! 工場の方が騒がしくなる
シャンソンとメロドラマ Coupe-moi, brule-moi... スニガがカルメンを尋問
10 セギディーリャと二重唱 Pres des remparts de Seville... カルメンがホセを誘惑
11 終曲 Voici l'ordre... 逃走するカルメン
12 間奏曲(第二幕への前奏) Entr'acte  
13 ジプシーの歌 Les tringles des sistres tintaient... ジプシーたちと語るカルメン
14 合唱 Vivat! vivat le torero! 闘牛士の登場
15 クプレ(闘牛士の歌) Votre toast...je peux vous le rendre...  
16 五重唱 Nous avons en tete une affaire 密輸団の密談
17 二重唱(カスタネットの歌と踊り) Je vais danser en votre honneur... カルメンとホセの再会
       (花の歌) La fleur que tu m'avais jetee. 哀願するホセ
18 終曲 Hola! Carmen! スニガ登場
19 間奏曲(第三幕への前奏)    
20 六重唱と合唱 Notre metier est bon... 山の中を行く密輸団
21 三重唱(カルタの歌) Melons! Coupons! カルタ占いをする女達
22 アンサンブル Quant au douanier, C'est notre affaire!  
23 ミカエラのアリア Je dis que rien ne m'epouvante... ミカエラ登場
24 二重唱 Je suis Escamillo... ホセとエスカミーリョの対決
25 終曲 Hola! Hola! Jose!  
26 間奏曲(第四幕への前奏)    
27 合唱 A deux cuartos! 闘牛場に集う人々
28 行進曲と合唱 Les voici, voici la quadrille...  
29 二重唱と合唱 C'est toi?... ホセがカルメンを追って登場

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蝶々夫人(Madama Butterfly)

原作  デーヴィッド・ベラスコの戯曲『蝶々夫人』
台本  ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ(イタリア語)
作曲  ジャーコモ・プッチーニ、1901〜03年
初演  1904年2月17日ミラノ・スカラ座
   改定版は1904年5月28日ブレッシャ、グランデ劇場
   日本初演は1914年
演奏時間  2時間(第1幕45分、第2幕第1場45分、第2場30分)
主要登場人物  蝶々夫人(S) 没落士族の生れの、一途で純情だが芯の強い15歳の娘
 スズキ(Ms) 蝶々さんの家の女中
 ピンカートン(T) アメリカ合衆国海軍中尉、蝶々さんを日本の現地妻とした
 シャープレス(Br) 長崎駐在のアメリカ領事、蝶々さんの相談相手
 ゴロー(T) 結婚周旋屋
 ボンゾ(Bs) 蝶々さんの伯父
 ケート・ピンカートン(Ms) ピンカートンの妻
 ヤマドリ公爵(Br)、ヤクシデ(Br)、
第1幕 1895年頃の長崎。入り江を見下ろす丘の上の庭園とその奥の日本家屋
 長崎に来たアメリカ海軍中尉ピンカートンは、周旋屋のゴローの紹介で日本での寂しさを紛らわす一時の結婚
をする手筈になっている。ゴローは彼のために日本家屋を世話し、女中のスズキを紹介する。やがてアメリカ総
領事のシャープレスがやって来る。酒が入ったピンカートンは広い世界を怖れず好きに行動するヤンキー気質を
歌い上げる。シャープレスは花嫁が真剣な様子だったのを思い出し、ピンカートンの態度に困惑する。歓声が聞
こえ、蝶々夫人の花嫁行列がやって来る。蝶々夫人は良家の娘だったが、家が没落し芸者に出されていたのだ。
結婚式が始まると、蝶々夫人はそっとキリスト教に改宗したことを打ち明ける。式が終わり、祝いの宴が始まる
と、怒った伯父のボンゾ(坊主)が神を裏切った蝶々夫人を責めたてる。ピンカートンは涙を流す蝶々夫人を優
しく慰める。二人の甘い二重唱。
第2幕第1−2場 蝶々夫人の家
 ピンカートンがアメリカに戻って3年。夫の帰りを頑なに信じている蝶々夫人は、その日を夢みてアリア「あ
ある晴れた日に」を歌う。そこにピンカートンの手紙を手にしたゴローとシャープレスがやって来る。だが喜ぶ
蝶々夫人に、シャープレスは手紙の内容を話せない。ゴローはヤマドリ公からの求婚を伝えるが、蝶々夫人に軽
くあしらわれてしまう。シャープレスは再び手紙を取り出して、ピンカートンが日本に帰ってくると告げる。だ
が、彼がアメリカ婦人と結婚したことは話せない。それとなくヤマドリ公の申し出を受けてはどうかと言うと、
ピンカートンとの子供を見せ涙ながらに訴える。その時、遠くにアメリカ軍艦の砲声が。戻ってきたピンカート
ンのために、蝶々夫人とスズキは庭の花を部屋いっぱいに蒔き二重唱「桜の枝を揺さぶって」を歌う。翌日シャ
ープレスとピンカートン、それにアメリカ婦人が現れる。事態を見て取ったスズキは泣きながら蝶々夫人の気持
ちを訴える。後悔の念に駆られたピンカートンは「さらば愛の巣」を歌い、逃げ去る。そこに蝶々夫人が現れ事
の真相を知る。蝶々夫人は仏壇の前で「恥に生きるより、名誉に死ぬ」ことを決心し、最後のアリア「さよなら
坊や」を歌う。短刀を喉に突き刺し倒れる蝶々夫人。その時ピンカートンが蝶々夫人の名を呼びながら戻ってく
るが、彼女は息絶える。


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トロヴァトーレIl trovatore)

原作  アントニオ・ガルシア・グティエレスの戯曲「エル・トロバドール」(1836)
台本  サルヴァトーレ・カンマラーノ(遺稿)
   最終幕はレオーネ・エマヌエーレ・デル・バールダレが完成(イタリア語)
作曲  ジュゼッペ・ヴェルディ,1852年
初演  1853年1月19日ローマ・アポッロ劇場
   日本初演は1955年
演奏時間  2時間10分(第1幕30分、第2幕40分、第3幕20分、第4幕40分)
設定  15世紀初頭、スペインのアラゴンとビスカーリャ

主要登場人物

 レオノーラ(S) アラゴン公爵夫人付きの女官で、絶世の美女
 マンリーコ(T) トロヴァトーレでレオノーラの恋人。ジプシーの母に育てられたが、実は貴族
 ルーナ伯爵(Br) アラゴン地方の貴族。レオノーラを愛するが振られ、実の弟とは知らずにその恋敵
   マンリーコを殺してしまう
 アズチェーナ(Ms) ビスカーリャ生まれのジプシーの老婆。死んだ我が子の代わりにマンリーコを養育
 フェランド(Bs) ルーナ伯爵の従僕頭
 ルイス(T) マンリーコの部下
 侍女イネズ(Ms)、老ジプシー(Bs)、使者(T)
第1幕〈決闘〉第1場 アリアフェリア宮の入口、第2場 同庭園
 
15世紀初頭のアラゴン。警備隊長フェランドの昔語り。当家の先代ルーナ伯爵には2人
の息子がいた。兄は今の伯爵だが、弟は幼児の時から行方不明。幼児の傍らにいたジプシー
の老婆を火刑にした跡から、幼児の骨が見つかった。先代はそれを息子のものとは信じず、
亡くなる前に息子を捜し出すよう遺言した。手がかりは何もない。夜の庭園で侍女イネスに
吟遊詩人(トロヴァトーレ)への恋を語る女官のレオノーラ。2人が去ると、彼女を慕うル
ーナ伯爵が現れ、レオノーラに会いに来た吟遊詩人マンリーコと鉢合せ。マンリーコの声を
聞いて駆けつけたレオノーラの前で、2人は決闘となる。
第2幕〈ジプシー〉第1場 山中のジプシー野営地、第2場 修道院
 
夜明け。ジプシー達が歌いながら鍛冶の鉄床を叩くアンヴィル・コーラス。アズチェーナ
は息子のマンリーコに、自分の母が火刑にされた時の恐ろしい話を聞かせる。復讐のために
伯爵の息子をさらってその火の中に投げ込んだが、気がつくと投げ込んだのは自分の息子の
方だった(アリア「炎は燃える」)。決闘の時ルーナ伯爵を殺せなかったというマンリーコ
に、次は必ず殺すよう命ずるアズチェーナ。そこへ、マンリーコが戦死したと思いレオノー
ラが修道院へ入るという知らせが届く。急ぎ飛び出すマンリーコ。夜更けの修道院。伯爵が
レオノーラをさらいに来る。しかしマンリーコが現れ、彼女を連れ去ってしまう。
第3幕〈ジプシーの子〉第1場 陣営、第2場 カステロール城内
 マンリーコが守るカステロール城を攻めようとするルーナ伯爵の陣営。アズチェーナが捕
えられ、城内礼拝堂での結婚式に臨むマンリーコとレオノーラに、彼女が火刑になると伝え
られる。母を救うために立ち上がるマンリーコのカバレッタ「燃える炎」。
第4幕〈処刑〉第1場 アリアフェリア宮、第2場 宮内の牢獄
 
マンリーコは戦いに敗れ獄につながれる。夜の闇にまぎれて来たレオノーラが歌うアリア
「恋はばら色の翼に乗って」。ルーナ伯爵に会い、自分の身を代償にマンリーコの助命を頼
む。喜ぶ伯爵。獄内で、眠れぬ母を宥めるマンリーコ。レオノーラが訪れ逃げろと言うが、
伯爵との仲を疑って彼女を責める。だがレオノーラは毒を飲んでいて死んでしまう。裏切ら
れた伯爵は直ちにマンリーコの処刑を命じる。息子の死を知ったアズチェーナは伯爵に、あ
れこそお前の弟だと告げ、息絶える。

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ニーベルングの指環ーー序夜
(Der Ring des Nibelungen)

ラインの黄金(Das Rheingold)

台本 作曲家自身1852年
作曲 リヒャルト・ワーグナー1853〜1854年
初演 1869年9月22日バイエルン宮廷歌劇場
  日本初演は1969年
 演奏時間  2時間30分(全1幕)
設定 神話の時代。ライン河底/地底の国ニーベルハイムの洞窟/ライン河畔の山上
 主要登場人物  ヴォータン(Br) 神々の長。契約の象徴である槍を常に持つ
アルベリヒ(Br) ニーベルング族の小人で指環を作る
ローゲ(T) 火の神(半神)。奸智に長ける
ファゾルト(Bs) 巨人族。お人好し
ファフナー(Bs) 巨人族。ファーゾルトの弟で強欲
ミーメ(T) ニーベルング族の小人。アルベリヒの弟
フリッカ(Ms) ヴォータンの正妻。結婚の女神
エルダ(A) 智の女神
フライア(S) フリッカの妹。不老不死のリンゴを育てている美の女神
フロー(T) 幸福の神。「陽気」を意味するその名の通りの楽天家
ドンナー(Br) 雷神。血の気が多い
ヴォークリンデ(S)、ヴェルグンデ(Ms)、フロースヒルデ(A) ラインの乙女
全1幕 神話時代 第1場 ライン河の岸辺、第2場 ワルハラの城を望むライン河畔の山上、
         
第3場 地下の国ニーベルハイム、第4場 第2場と同じ
 3人のラインの乙女達(水の精)が戯れている。そこへニーベルング族の醜い小人のアルベリヒが暗い岩礁
をよじ登って現れ、彼女達に恋し掴まえようとするが逆に翻弄される。その時、水面下から差し込む光に水底
の黄金が照らし出される。このラインの黄金を守る役目を与えられている乙女達は軽はずみにも、黄金で作っ
た指環を所有すれば世界を支配する力を得られるとアルベリヒに話してしまう。それは愛を断念した者だけに
可能なことだから、女を追い回す好色な彼には無理と彼女達はたかを括ったのだが、アルベリヒは愛をあきら
め、黄金を奪い去ってしまう。
 ライン河畔の山上では、妻で結婚の女神フリッカに揺り起こされたヴォータンが巨人族の兄弟ファゾルトと
ファフナーに建設を依頼したワルハラ城の完成を喜んでいる。しかしその代償に妻の妹である青春の女神フラ
イアを与えると約束したため、妻に責められる。実はヴォータンはフライアを与える気などなく、この策略を
計画した狡猾な火の神ローゲにその解決策を聞けばいいとの考えだ。だが、逃げるフライアを追いかけてきた
巨人兄弟が約束の実行を迫るので、神々は困り果てる。ローゲが現れ、自分が策略した覚えなどないと言った
り、巨人達の仕事ぶりを誉めたり、世の中で女ほど魅力的なものはないなどと散々神々をじらす。その後おも
むろにラインの黄金の話をし、今ならば泥棒が盗んだものを泥棒から盗み出すのだからたやすい、アルベリヒ
から強奪すればいいとヴォータンにけしかける。指環の話は巨人兄弟の関心をもあおり、魔力をもった小人に
自分達が虐げられるのも嫌だと思った彼らは、黄金をフライアの代わりにしてもいいと言う。しかしヴォータ
ンは色よい返事をせず、怒った巨人兄弟はフライアを人質に連れ去る。青春の女神が去ったため、雷神ドンナ
ーやフローが老人のようになり、妻にも責められ、思い直したヴォータンは指環を手に入れるため、ローゲと
共に地下のニーベルング族の国ニーベルハイムへと向う。
 ニーベルハイムでは、指環によって力を得たアルベリヒが、そうとは知らせず弟のミーメに何にでも化けら
れ、また姿を消すこともできる隠れ兜を作らせる。アルベリヒは兜が出来上がるや奪い取り、自分の姿が隠れ
たのをいいことにミーメを打ち据えて去る。やがてヴォータンとローゲが到着。ミーメは兄の暴力と、彼がラ
インの黄金の指環の力によりニーベルング族を支配していること、さらに隠れ兜のことを話す。そこへ、配下
のニーベルング族を駆り立てて金銀の細工物を運ばせながら、アルベリヒがやって来る。二人を見咎めたアル
ベリヒは悪態をつく。悪智恵の働くローゲは隠れ兜の奇跡をこの目で見たいとおだて、これに乗ってしまった
アルベリヒは得意満面に大蛇に変身。それを見てローゲは恐れるふりをし、次に小さなひき蛙に変身させ、つ
いには彼を捕えて隠れ兜を奪い、縛り上げる。
 深い霧の中、ヴォータンとローゲがアルベリヒを引き立て山上にやって来る。ヴォータンに身代金を要求さ
れたアルベリヒは、右手の縄を解いてもらい、指環に唇をあてニーベルング族に財宝を持って来るよう命令す
る。ニーベルング族が地上に運び積み上げた財宝の山に加えて、ローゲは隠れ兜も取り上げる。さらにヴォー
タンは指環を要求し、アルベリヒからむりやり奪ってしまう。縄を解かれたアルベリヒは、指環の持ち主がそ
の奴隷となり、死が訪れるようにと呪いをかける。アルベリヒが去ると次第に霧が晴れ、神々が集まって来る。
その後、巨人兄弟がフライアを連れてやって来て、彼女の姿がすべて隠れる量の黄金を要求する。ローゲとフ
ローが彼女が隠れる高さまで黄金を積み上げるが、兄弟は隙間から髪が見えると隠れ兜を求め、さらには瞳が
見えると言いだす。ローゲは黄金はもうないを言うが、ファフナーはヴォータンの指環に目をつける。ヴォー
タンはそれを拒む。すると光の中から智の女神エルダが現れ、指環の呪いを避けよと警告する。さらに普通な
らば自分の娘達がこれを告げるのだが、火急の事だから自分が来た、と指環によって神々にも黄昏の時が来る
と忠告する。ヴォータンはもっと知りたがるが、エルダは消える。ヴォータンは巨人達に指環を投げ与える。
指環の呪いはたちまちに現れ、巨人達は争い始め、ファフナーはファゾルトを殺し財宝をかき集める。うっと
うしい気分を晴らそうとドンナーは雷鳴と雨で清め、フローは虹の橋を掛ける。それを渡り、神々はワルハラ
城へと向かう。神々を見送りながらローゲは彼らの終焉を感じ、運命を共にするのは恥と思い、いっそ炎に身
を変えようかと言う。遥か下から聞こえてくる黄金をなくしたラインの乙女達の嘆きの声。

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マクベス(Macbeth)

原作 シェークスピアの悲劇『マクベス』(1605〜06)
台本 フランチェスコ・マリア・ピアーヴェおよびアンドレア・マッフェイ(イタリア語)
作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ,1846〜1847年
初演 1847年3月14日フィレンツェ、ペルゴラ劇場。
  改訂版は1865年4月21日パリ、リリック劇場
  日本初演は1974年
演奏時間 2時間15分(第1幕45分、第2幕30分、第3幕25分、第4幕35分)
設定 1040〜57年、イングランドとスコットランドの国境地方
主要登場人物 マクベス(Br) スコットランドの貴族
レディー・マクベス(S) 悪女の典型で、夫より権力を愛する
バンクォー(Bs) スコットランドの貴族で、マクベスの友人
マクダフ(T) スコットランドの貴族。妻子を殺され、最後はマクベスを成敗する
マルコム(T) ダンカン王の息子
侍女(Ms)、医師(Bs)、マクベスの従者(Bs)、刺客(Bs)、伝令(Bs)、第1の幽霊(S)、
第2の幽霊(ボーイS)、第3の幽霊(ボーイS)
第1幕 第1場 11世紀半ば、スコットランドとイングランドの境界フォーレス付近の荒野
    第2場 マクベスの城
 
将軍マクベスとバンクォーが嵐の荒野で馬を走らせていると、魔女達が現れ、2人に奇妙な
祝辞を浴びせた。マクベスには「いずれスコットランドの王になるだろう」、バンクォーには
「王の父となるはずだ」と。この不思議な出来事を夫の帰城より一足先に知らされたマクベス
夫人は、あたかもマクベスが目の前にいるかのように、小心者の夫を叱咤激励し、ドス黒い野
望を吹き込むのだった。やがて帰城したマクベスの許へスコットランド国王のダンカン一行が
訪れる。夫妻は好機とばかりに国王暗殺を企て、その期に及んで臆病風に吹かれたマクベスに
代わって夫人が短剣で就寝中の国王を襲う。
第2幕 第1場 城内、第2場 城外、第3場 大広間
 望み叶ってスコットランドの王位に就いたマクベスだが、頭にこびりついて離れないのは、
例の魔女の「バンクォーが国王の父に」との一言。夫人は、いっそ先手を打ってバンクォーを
亡き者に、と再び殺害に及ぶべく自らを奮い立たせる。刺客がバンクォーとその息子フリーア
ンスに刃を振るい、バンクォーは落命するが息子は逃げおおせる。大広間で夫妻が客をもてな
していると、刺客がそっと現れ、計画成就を報告。だがマクベスの目には、殺されたはずのバ
ンクォーが血に染まって祝宴の席に連なっている姿が映り、錯乱状態に陥る。
第3幕 洞窟
 マクベスが魔女達に自らの運命を尋ねたところ、答は3つ―「貴族のマクダフに気をつけろ」
「女から産み落とされた者に負けることはない」「バーナムの森が動き出さぬ限り、敗れはし
ない」。
第4幕 第1場 バーナムの森付近、第2場 広間、第3場 マクベスの部屋、第4場 戦場
 マクダフはじめ反マクベス派が結集。先王ダンカンの遺児マルコムは、バーナムの森の木を
切り、枝を手に攻撃する策略を巡らす。城内では夫人がついに発狂、手が血に染まる幻覚に襲
われる(「消えてしまえ、この呪わしいしみよ」)。マクベスの許に、夫人の狂死と「バーナ
ムの森」が城に押し寄せているとの報せが。マクダフとの一騎打ちを演じながらマクベスは、
相手が母から産み落とされたのではなく帝王切開で生まれたと知らされる。命運尽きて倒れる
マクベス。歓呼に応えてマルコムが新王の座に。

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魔弾の射手(Der Freischutz)

原作 ヨハン・アウグスト・アーペルとフリードリヒ・ラウンの『妖怪物語』(1811年)
台本 フリードリヒ・キント(ドイツ語)
作曲 カール・マリア・フォン・ウェーバー,1817〜20年
初演 1821年6月18日ベルリン王立劇場
  日本初演は1947年
演奏時間 2時間20分(第1幕45分、第2幕50分、第3幕45分)
設定 1650年頃のボヘミア
主要登場人物 アガーテ(S) クーノーの娘。マックスとは恋仲
エンヒェン(S) アガーテのいとこの若い娘。アガーテをからかったりも
マックス(T) 若い猟師。純情で恋人のためなら何も厭わない一途すぎる面がある
カスパール(Bs) 若い猟師。元マックスの仲間だったが、悪魔に魂を売り渡した
オットカール侯爵(Br) 領主。頭の堅い昔ながらの貴族
隠者(Bs) 人々の尊敬を受けている修行者
クーノー(Bs) 侯爵領の森林保護官
キリアン(Br) 裕福な農夫
ザミエル(台詞) 狩猟の悪魔
4人の乙女(S4)
第1幕第1−6場 30年戦争が終わった頃。ボヘミアの領主領の森の中
 明日の射撃大会を前にした予備競技で、名手マックスは不覚にも農夫キリアンに敗れる。オットカール侯爵
の護林官クーノーの娘アガーテと結婚し、護林官の職を継ぐためには、明日の御前試合で優勝しなければなら
ない。クーノーに念を押され、ひとり残ったマックスはアガーテへの愛と不安な気持ちを歌う(「森を過ぎて
野を越えて」。)絶望に沈むマックスを悪魔ザミエルに魂を売ったカスパールが誘惑する。夜中の12時に一
緒に狼谷へ行って、伝説の魔弾を手に入れれば明日の競技に勝てると。マックスはアガーテを思うあまり承諾
する。カスパールはひとりほくそえむ。
第2幕第1−3場 クーノーの館、第4−6場 狼谷
 アガーテは従妹のエンヒェンとマックスの帰りを待っている。壁の肖像画が落ち不吉な予感を抱くアガーテ
を、エンヒェンは「りりしい若者が来る時は」と軽やかに歌い慰める。ひとり「まどろみが近寄るように」と
マックスへの愛を歌うアガーテは、朝方、森の隠者から白いバラのお守りをもらっていた。マックスは狼谷へ
行ってしまう。カスパールは悪魔ザミエルに、マックスと引き換えの延命を頼む。ザミエルは、最後の7発目
の魔弾は自分が自在に操ると言い、その犠牲者はマックスかカスパールだと言い残して姿を消す。マックスが
現れる。7発の魔弾を鋳造し終えたところで2人は失神してしまう。
第3幕第1場 森の中、第2−5場 アガーテの部屋、第6場 射撃大会会場
 御前試合の当日。カスパールは、マックスの魔弾が最後の1発になるよう、自分の分を撃ち尽くしてしまう。
不吉な夢を見たアガーテをエンヒェンが慰めるが、そこへ届けられた婚礼用の花冠は葬儀用のものだった。そ
こでアガーテは隠者にもらった白いバラで髪を飾ることにする。領主オットカールの命で、マックスが最後の
魔弾で白鳩を撃とうとした時、「撃たないで」と叫ぶアガーテが現れる。弾は放たれ、アガーテは倒れる。し
かし白バラに守られたアガーテは助かり、魔弾は木陰に潜んでいたカスパールに当たった。すべての事情を知
った領主は、マックスの追放を命じる。そのとき隠者が1年の猶予を提案し、領主もこれに従う。しかもその
間、正義に背かなければ、アガーテとの結婚を許すという。人々は喜び、天の神に感謝する。


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夜鶯(Le Rossignol)

台本 アンデルセンの童話に基づき、作曲者とS.ミトゥソフが脚色(ロシア語)
作曲 イーゴル・ストラヴィンスキー,第1幕1908年第2・3幕1913年
初演 1914年5月26日パリ・オペラ座
演奏時間 46分半(第1幕16分半、第2幕16分、第3幕14分)
 主要登場人物  ナイチンゲール(S) その囀りの声で人々にやすらぎを与える謎めいた鳥
料理番の娘(S) 皇帝にナイチンゲールを献上するてはずを整える
死神(Ms) 皇帝のもとを訪れるが、ナイチンゲールの美声によって退散させられる
漁夫(T) ナイチンゲールを愛する民衆を象徴し、その歌はオペラの構成上重要な
   働きをする
中国の皇帝(Br) 病弱でナイチンゲールの声で癒される
3人の日本の遣使(T、Br、T) 機械文明万能の国からの来訪者
内大臣(Br)、僧侶(Bs)
第1幕 お伽噺の時代の中国。夜、森のはずれの水辺。
 ロマンティックな前奏曲が聞き手を幻想の世界に誘う。ナイチンゲールの歌を聞こうと漕ぎだした漁夫が
歌うナイチンゲールとそれを創造した神を礼賛する歌が聞こえる。するとナイチンゲールが飛んできて、美
しい囀りを聴かせる。漁夫がその声に聞き惚れていると、料理番の娘の導きで内大臣、僧侶といった宮廷の
人たちが登場、ナイチンゲールは鳴くのをやめてしまう。しかし、死の床にある皇帝が歌を所望していると
知ったナイチンゲールは、「喜んで宮廷にご一緒する」と答えた。一同が去って漁夫だけが残り、再びナイ
チンゲールを礼賛する歌をうたう。
第2幕 皇帝の宮廷
 風のそよぎと題された間奏曲が終わるとそこはナイチンゲールを待つ宮廷内。人々は謎の鳥のことを噂し
合っている。内大臣が登場して皇帝のお出ましを告げる。中国風の行進曲とともにカーテンが開くと、陶磁
器でできた幻想的な建物が浮かび上がる。手前にはナイチンゲールの止まり木。皇帝は天蓋のついた輿にの
って登場する。ナイチンゲールが美しい声を聞かせると、皇帝の病気はたちまち快方に向かった。ナイチン
ゲールは皇帝を感激させるだけで十分といって、報酬すら受け取ろうとしない。廷臣たちもその歌に魅了さ
れていると、内大臣が日本の遣使団の到着を告げる。彼らは日本の皇帝からの贈り物として機械仕掛けのナ
イチンゲールを差し出した。からくり鳥の歌はオーケストラによる。皇帝がナイチンゲールと聴き比べしよ
うとしたところ、本物のナイチンゲールは飛び去ったあと。怒った皇帝は許可なく去ったナイチンゲールを
国外追放とし、機械の鳥に宮廷第一歌手の称号を与えた。
第3幕 宮廷の一室
 本物の代わりに機械仕掛けのナイチンゲールを枕元に置いたところ、皇帝の病はみるみる悪化。ついには
枕元には死神が現れた。そこに再び舞い戻ったナイチンゲールが美しい声を聞かせた。その美しさには死神
も心奪われる。死神はその場を去り、皇帝はすっかり回復する。「どうかここにとどまってほしい、最高の
栄誉をつかわす」という皇帝の言葉に、ナイチンゲールは「あなたの目に浮かんだ涙が最高の栄誉、毎晩こ
こに歌いにきます」と答えた。遠くから漁夫の声が聞こえるうちに幕に。

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